劣化したフィルム!剥がし方は?
こんにちは。KENEI(ケンエー)の菅原です。
これから皆さん、年末に向けてイベント事や大掃除などに忙しくなってくるんではないでしょうか。
もしかしたら、窓に貼ってあるフィルムが劣化していて貼り替えや剥がしを考えている方もいるかもしれません。
そこで今回のテーマは、古くなったフィルムの剥がし方になります。
それではまずフィルムはどういう構造になっているか見ていきましょう。
フィルムの構造
①ハードコート層
ハードコート JIS K5400による引掻き試験の鉛筆硬度2Hをクリアしており、施工時や清掃時の表面のキズがつきにくくなっています。従って経年変化による表面の損傷を抑制し長年にわたって美観を保ちます。
ハードコートは傷付き防止ですが、通常のガラス掃除のように拭きますと細かなキズがついてしまいます。
②基材フィルム
建築窓ガラス用フィルムの材質は、主にペットボトルでも用いられているポリエチレンテレフタラート(以下PET)が使用されています。
その他、塩化ビニル製などのものもありますが、JIS規格(JIS A 5759)で定められているものは、薄くても強度のあるフィルムを作ることができるPET素材となっています。
③粘着層
粘着層にはアクリル樹脂系の粘着剤が用いられ「紫外線吸収剤」が添加されています。
その為、フィルムを窓ガラスに貼るとUVカット効果が発揮され、通常はガラスに吸収されずに透過してしまうUVAもしっかりと防ぐ事ができるので、有効な紫外線対策が可能です。
④セパレーター(接着面保護用)
セパレーター は粘着層の表面を保護をするフィルム。施工時に剥がす剥離フィルムとなっています。
簡潔に申しますと、プラスチックの材質の表面に傷付き防止加工をして、裏面に接着剤がついているイメージになります。
次は劣化のサインや時期について見ていきましょう。
フィルムの劣化•交換時期
交換時期
フィルム本体(PET)部分の寿命は約10~15年です。(環境や貼り付けを行った施工者によって異なります)
外貼りの場合は、雨や風、直射日光などにより、内側に貼った場合と比べてフィルムの耐久年数が非常に短くなります。※(5年程度)
貼り替えの時期は見た目に変化が現れ始めたらです。これは、空気に直接触れている表面ハードコーティングが一番最初に劣化していくと考えられるからです。
- 劣化について
- 表面ハードコーティングが白濁して、ひび割れなどが発生する場合があります。粘着力などの性能はほとんど低下しませんが、フィルム本体であるPETは10年を過ぎると硬化する傾向があり、伸び率が低下していきます。防犯用は約10年を目安に貼り替えをしていただく事をおすすめします。
剥がし方
それでは、剥がし方のご説明します。
①フィルムの裁断
カッターを使って図のように、切り込みをいれます。分割する事により途中でフィルムが切れてしまうのを防いだり、剥がす力を込めやすくなります。※ガラス自体に傷が付くので、カッターに力を込めて切らないようにしましょう。
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②持ち手を作る
フィルムの角をカッターやマイナスドライバー等で持ち手(きっかけ)をつくります。
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③基材フィルム剥がし
上から下に巻き取りながら、剥がします。
※ここからの作業は手や指を保護するために手袋を着用しましょう。
次の工程から粘着剤(糊)を剥がす作業になります。
④洗剤入りスプレー噴霧
周りが濡れないようにマスカー養生や布シートを敷きます。
中性洗剤入りのスプレーを使って、ガラス全体をよく濡らします。(洗剤数滴で大丈夫です)
濡らす事により、粘着剤がふやけて取れやすくなったり、この後使うスクレーパー作業の滑りが良くなり作業効率がいいです。
↓
⑤粘着剤除去
スクレーパー(刃物)と呼ばれる工具を使います.大抵のホームセンターで販売しています。
扱うポイントとしましては、必ず保護手袋を着用し、角度や刃の向きがありますので最初は慣らしながら行うと良いかもしれません。
スクレーパーの刃に粘着剤が付いたら、キッチンペーパーなどで刃を引っ張るように取り除きます。※手を切る恐れがあるので、刃に沿って拭かないように注意して下さい。
↓
⑤清掃
粘着剤の除去が完了しましたら、再度洗剤入りスプレーを全体に噴霧して、ガラスワイパーなどで水を切ります。
剥がし忘れがないようチェック確認しましょう。
まとめ
このようにフィルムを剥がしますが、フィルムの種類や劣化による糊の固着具合によっては
、中々剥がれず時間と手間が掛かります。
劣化のサイン等が見られたら、早めに剥がす事をお勧めします。
また、剥がす際のスクレーパーの取り扱いには充分にご注意下さい。
手間と労力が掛かる作業ですので、ご検討の場合はお気軽にご相談ください。
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